遠い星

 満たすべきものが欠けた、恥ずかしい間違った存在。その惨めな顔を覆い隠すために重ねた所業を見透かされ、全てを剥ぎ取られた見窄らしい肢体、その疵までも晒すことになるなど、耐えられない。間違った自己を断じる視線を脳裏に飼いながら、その辱めを与えたのは、それを間違いとそもそも嗤ったのはお前らだと、睨め上げた眼に憎しみを抱いて縮こまっている。自身を恥じながら怯え、他者を憎み殴りかかろうとし、そんなことは分不相応だと一方の自己が制し、制せられた自身をより一層恥じ、それを視ている他者を恐れ、宙吊りの衝動が、もはや自他どちらに向けられたものなのかも、憎んでいるのは過去の奴らか今いる自分か未来の世界かも、判らないまま、自意識の往復の中で募っていく。
 それなら終わりにすればいい、そう誰かが呟いて、パチンと弾けた。