相も変わらず全てを憎んで

 恐怖の中の憎悪、劣等感の中の誇示欲。耳を塞ぎ怯えながら、睨んで、嘲りながら、澄ました顔をしている。敬っているポーズを取って、平和を気取った笑顔の後ろから首に手を回して、なぶり殺しにしたい。何を見せたかったのだろう。孤独?嘘の暴露?殺せるだけの力?同じだけの苦しみを与えたい?
 そんなくだらないこと。何かの埋め合わせだとか、そんな「正当な」理由のあるものですらない。単に壊したい。壊してしまいたい。踏み潰されるものの脆さをこの眼で見たい。そして力なくなった身体の横で嗤いたい。
 やっぱりこんなガラクタみたいなものだったのだ。そんなものに何かを期待した自分の白痴さを思い知りたい。そんな白痴さで回っている世界を他者を見下して軽蔑したい。馬鹿でしかない、こんなものを求めて、足掻いて、這いずり回って、躓いて、血反吐を吐いて。そう思って、全部を。滑稽だと、嗤いたい。