情動メモ

 最近あった(2ヶ月くらい前)印象的な情動体験を書いてみます。何らかの具体的な現実の体験があってそれが情動を喚起した、というのとは違っていて、思考とか過去の諸々に対する感情の根っこが反応した、という感じでしたが。
 具体的な脈絡があったわけでもないので前後をはっきり覚えていないし、行動としては歩いていただけですが、思考は「正しさ」とか、そういうものを押し付けたり、それによって欠点や何かを否定していれば変わると思うのか、といったこれまでにも何回となく考えては怒りや苛立ちを覚えたりしていることを考えていました。
 その時もそういった怒り苛立ちを感じながら、思考を空転させるのではなくて、その情動に注意を向けていました、確か。急に、今までは感じなかった不快さ、気持ち悪さが現れて、脳や身体がそれに浸されました。単なる感情ではなくて、嘔吐しそうな時や風邪の時の身体的な不快感、にも似ていたと思う。でもやっぱり精神的なもので、憎しみとでも呼べそうな、トゲトゲしていて、病んだ、黒く紫がかったような感覚のある悪感情が、脳の中枢部から滲み出るというか。普通の感情を表す言葉に当てはめるより、そういうイメージ的な形容がぴったりくるというか実際にそう感じられるぐらいの強さがありました。その裏には恐怖も感じ取れた。
 数分とかではなく、結構長い時間その不快感が強さは変わりつつも消え去らずに続きましたが、それを感じながら、変化させようとかはせずに放っておいたら、どのくらい後だったか収まりました。今までも感情が湧いたらちゃんと味わってその内容をメモしたり分析するというのをやっていましたし、当然怒りの情動も色々あったけど、ここまで「病んだ感情」みたいなのをはっきり感じる、っていうのはそうなかったので驚きました。
 たぶん自分の中の病理の原因である、他者や社会に対する恨み、敵対心、恐怖みたいなものの根源であるような感情の塊が、ひとつ浄化された、流れた、ってことじゃないかと。そのあと劇的な変化があったわけじゃないけど。まあ心に軽快さが増えた、とは言えるかもしれないです。