The Curious Incident of the Dog in the Night-time

The Curious Incident of the Dog in the Night-time

The Curious Incident of the Dog in the Night-time

やっと読み終えた。アスペルガー症候群の少年 Christopher が主人公(かつ設定上の筆者)のヤングアダルト?で、かつ Detective Story な味付けのお話。Christopher とその両親を含んだ関係の中では、ある程度悲しい現実みたいなこともあるんだけど、他人の気持ちを読む、みたいなことのできない Christopher は、その辺のことを理解して苦悩することはない。単に喧嘩して怒鳴りあってる声を聞くことが不快で心を乱されるので、耳を塞いで、自分で呻いて聞こえないようにしたりするだけ。でも、その辺りの不安感はわかるというか、自分の体験を思い出して重ね合わせてしまうような描写だった。何というか、滝つぼの底に置き去りにされたような感覚だよね。滝つぼなんて落ちたことはないけど。

どれほどアスペルガー症候群の実態に近いのかは判断できないけど、納得感はありました。まあ別にアスペルガー症候群ってとこに特別注目しなくても面白いです。Christopher がかなり理数的に世界を捉えるところ、隠喩表現が嫌いで慣用的な表現でも理解しないところ、とかは面白くもあり時折悲しさも感じさせる。

一応、参照用に。
アスペルガー症候群 - Wikipedia